久原本家・椒房庵×
ナビゲーター・田口めんたいこさんインタビュー
他社とコラボするのは初。
業界を盛り上げるために
1歩踏み出そうと決心
元々は醤油屋から始まった“あごだし”入りの明太子が
食通からの熱い支持を受ける「椒房庵」。
今回のプロジェクトに参加することになった経緯や
意気込みについて語っていただきました。
田口はじめまして、田口めんたいこです。
大和はじめまして、やっとお会いできましたね。
山田うれしいですね。
田口椒房庵さんのあごだし明太子は、東京でもお土産でいただいたりして、本当に大好きなのでお目にかかれて光栄です。
山田コスチュームに書かれている明太子はすべて食べているんですか!?すごい数。私たちが知らないような名前もちらほらあります。
田口これはほんの一部なんです。もう本当に明太子が大好きで。
大和小耳に挟んだところによると福岡への移住もお考えだそうで、そこまで明太子を愛していただけるなんて本当にありがたい話です。
企画を知った第一印象
田口今回のプロジェクトですが、最初にお話を聞いた時はどんな印象でしたか?
大和このお話は、島本さんが弊社の社長に直接持ってきてくださったんです。私もその場に同席させていただきました。第一印象としては「前代未聞」でしたね。弊社は他社さんと一緒に何かをする機会がほぼなかったので社長がどう判断するかなと興味深かったのですが、ご一緒できることになってうれしいです。
田口すんなりOKが出たんですか?
大和ただ単に「3社で一緒にやりましょう」というだけのプロジェクトだったら断っていたと代表は申していました。やはり「業界全体を盛り上げるためにやろう」という志の部分が大きかったです。明太子業界自体の活気がなくなりつつある今、将来を見据えて自分たちが動かないわけにいかないだろうと。でも具体的な行動には至っていなかったので声をかけていただいて感謝しています。
田口椒房庵さんも業界の縮小傾向を肌で感じることはありますか?
大和ありますね。明太子という食品自体はもう定着していますが、毎日大量に消費するには少し価格が高いんですよね。だからこそ贈答品にぴったりという印象だったのでしょう。でも今後は何かしら目新しさや新しいトピックがないとそう頻繁には食べてもらいにくい状況なのかなと感じています。
田口目新しさというのは確かに人を惹きつけますよね。ここ数年、明太子そのものよりも加工品の人気が一人歩きしているような感覚があります。ただ私としては明太子そのものを食べてほしいので今回のプロジェクトは本当に楽しみなんです。
大和本来の良さを改めて再発見していただける機会になったらうれしいですね。
社運をかけてリニューアルした
「あごだしめんたいこ」を選抜。
だしのうまさは右に出る者なし
今回出す明太子
田口今回椒房庵さんが出品される明太子について教えてください。
大和本来の良さを改めて再発見していただける機会になったらうれしいですね。
田口おぉ、看板商品として出されている明太子で勝負されるんですね!
大和そうです。弊社は明太子業界の中では後発ですが、それでも2020年に30年を迎えます。その歴史の中で初めて大きくリニューアルをしたのがこちらなんです。
山田30年前に明太子を初めて発売して以来、トレンドやお客様のご意見を取り入れて少しずつマイナーチェンジを重ねてきましたが、ここまで抜本的に変えたのは初めてでした。以前の明太子も多くのお客様から長く支持していただいていたのですが、月日を重ねるごとにお客様も年齢を重ねられ、「塩分が高くて食べたいけど食べられない」というお声も増えてきたんです。せっかく愛してくださる方々のお声に応えるために何かできることはないかと試行錯誤を重ね、「だしを入れることでうちらしくなるのでは」とまったく新しい明太子が生まれたんです。
田口ここまでの大改革、製造を担当される山田さんのご苦労は相当なものだったでしょう。いちばん大きく変わったのはだしを使った味付けですか?
山田だしを使うという決断はかなり大きなものでした。原卵もその味付けに合うものを、とこだわって選びました。「椒房庵」の明太子は、皮が薄くて程よく熟した北海道産の上質な真子だけを使っています。明太子のおいしさの8割は原卵で決まりますから毎年何度も北海道に足を運んで、いい原卵を仕入れています。
田口原卵がおいしさの8割とは。そこが肝ですね。
山田卵は嘘をつけません。そこがしっかりしていれば後はちょっとお化粧してあげるだけで充分ごちそうなんです。
「椒房庵」30年の集大成。
多くのお客様に支持されてきた自慢の味で頂へ
「椒房庵」の明太子といえば
大和山田は、あまり多くを語りませんが、明太子をつくるレジェンド、まさに匠なんです。入社して30年近く、明太子一筋で社長と二人三脚で今の「椒房庵」を築き上げてきました。私たち若手も山田のつくりあげる味を信頼してついてきました。お客様にも伝わっているからあれだけ大きく味が変わっても受け入れてくださったんだと思います。
那須私は入社してまだ間もないのですが、山田さんの明太子づくりを間近で学べる日々はとても刺激的です。
山田入社当時、社長が「明太子をつくる」と言い出したときは右も左もわからずとにかくひたすら勉強でした。知名度も実績もないから北海道に通ってもなかなかいい原卵に巡り合えず。そんな苦労をしながら築き上げた明太子を2018年に変えると決まったときは不安もありました。最初の知らない苦労と違う、知っているからこその苦労でしたね。でも何とかかつての良い部分は生かしつつ、あごだし感をしっかり出して新しい「椒房庵」らしさを表現できたかなと思います。「椒房庵」の30年間の集大成と言っても恥ずかしくない明太子ができました。
田口なんかもうお話だけで、見たこともない北海道の景色や立ち上げの苦労が伝わってきて涙が出そうです…。「あごだしめんたいこ」はすでに人気の高い商品なので、頂上決戦でも強いでしょうね。
大和あくまでも明太子業界を盛り上げる意味で参加させていただいていますが、そりゃもちろん「うちがいちばんおいしい」という思いでは負けていませんので頂上を狙っていきますよ。